投資銀行業界で圧倒的な地位を誇るゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)。ゴールドマンは「金の男」でサックスは「楽器のサックス」。誰もがそう思うだろうが、何か寓意がありそうだ。

だが詳しく調べてみると結論は拍子抜けするほどシンプルだった。

GoldmanとSachsは苗字である

単純にあわせただけだった

調べたところ、Goldman Sachsという社名は理念や概念でもなく、創業者とパートナーの姓の組み合わせであることがわかった。

1869年に創業したマーカス・ゴールドマンが事業を始め、1882年に義理の息子サミュエル・サックスをパートナーに迎えたことで、社名は「M. Goldman & Sachs」へと変わり、1888年には「Goldman, Sachs & Co.」に変更した。

つまり、ゴールドマンというのは金という意味ではなく、ゴールドマン家のゴールドマンで、サックスは楽器ではなくサックス家のサックス。ちなみに楽器のサックスはsaxophone、saxというスペルで書く。

社名に金融と楽器のメッセージが込められていたわけではなかった。そしてGoldmanとSachsは、どちらも由来がはっきりした典型的なドイツ語圏(+ユダヤ系)の姓だ。

Goldmanという苗字の由来

(1)金を扱う職業姓という説

Goldman はその語感のとおりgold(金)+ man(人)で、歴史的には金細工師・金の取引に関わる人など、金を扱う職業や属性に結びつく姓だ。英語圏では「Goldmann」表記も見られ、辞書の説明では「金鉱・宝飾・金箔加工など幅広く含む金に関わる職業姓」としている。

(2)Gold という人名由来説

系譜辞典系のサイトでは、Goldmanを祖先名由来(Gold という個人名に man が付いた形)として説明する流儀もある。つまりgold(金)という意味ではなく、Gold という人名から派生したという見立てだ。

Sachsという苗字の由来

(1)地名説

Sachsはドイツ語の地名 Sachsen(ザクセン)に結びつく姓で、元来はザクセン出身者を示す苗字だ。

そしてSachsen(ザクセン)という地名はサクソン人(Saxons)に遡り、語源的には刃物(knife)を意味する語に行き着く、という筋道も紹介されている。

(2)アクロニム説

面白いのは、ユダヤ系の姓の文脈では Zaksという似た形がヘブライ語フレーズの頭字語(アクロニム)に結びつけられるという説明もなされる点だ。

※アクロニム(Acronym)というのは、NASA(ナサ)、UNESCO(ユネスコ)のように複数の単語の頭文字をつなぎ合わせて呼ぶ略語のこと

一部の辞書では「Zaksが殉教者の記憶に関わる頭字語として扱われるケースもある」と説明されている。

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