世界長者番付の常連となった投資家のウォーレン・バフェット(95歳)。すでにバークシャー・ハサウェイのCEOは退任し、会長となった。

バフェットはこれまで、どのようなペースで資産を増やしてきたのだろうか。できるだけ正確な数値を調査し、わかりやすく表にしてみた。

バフェットの資産額推移まとめ

圧倒的な増え方

31歳という若さで「億」に到達している点に注目されたい。そして驚異的なのは、次に資産額が判明する43歳で52億円に急増していることだ。

年齢資産額(1ドル=155.4円で計算)単位備考
21歳3,108,200円大学卒業、22歳で結婚
26歳21,757,400円 
31歳159,295,250円ついに億に到達
43歳5,283,940,000円 
48歳15,541,000,000円 
52歳38,852,500,000円 Forbes 400に掲載
64歳1,505,922,900,000円
65歳2,370,002,500,000円 バークシャーの株価が上昇
70歳5,240,425,200,000円 ITバブル崩壊期でも相対的に影響が小さかった
76歳8,120,172,500,000円 
78歳6,534,990,500,000円 
84歳11,834,471,500,000円 

資産推移を追う意味

バフェットを話題にあげると、どうしても名言や保有銘柄に注目が集まりやすい。しかし同じ投資家として参考にするなら、その本質は超長期での資産形成をどう成立させたかにある。

資産推移を分析すると、次のような現実が見えてくる。

  • 成果の多くは後半に集中する(複利の重要性)
  • 暴落や停滞期があっても撤退しないことが効く
  • 資産規模が大きくなるほど、成長率は鈍化しやすい
  • 巨大資本でも増え続ける設計がある(再投資、資本配分、機会の待ち方)

バフェットは株式投資が上手いというよりも、時間を味方につける方針が功を奏したと言える。デイトレーダーのような取引の上手さはなく、しかしそれゆえ他人もその成功体験を真似しやすいというメリットがある。

結論:資産は一気に増えたのではなく、長く積み上がった

表を眺めると、資産が右肩上がりで増えているのは事実だが、毎年スムーズに増えたわけではないということがわかる。むしろ途中で停滞や下落を挟みながら、それでも長期では増え続けている。

ここで重要なのは短期の勝率ではなく、ポートフォリオが減りにくい設計増えるときに大きく増える設計の両方を持っている点だ。

伸びたタイミングに共通する3つの要因

資産が大きく伸びた局面は単に「景気が良くて株価が上がったから」という理由だけでは説明しきれない。バフェットの場合、資産増加を支えるドライバーが複数ある。

(1)再投資できる収益源を持っていた
バークシャーは保険事業を中核に、投資に回せる資金を安定的に生み出してきた。この構造のポイントは、投資の原資が利子の発生する借金ではなく、保険事業が生むキャッシュであることだ。

長期では、この差が効く。

(2)暴落局面で動ける体力があった
株式市場は暴落した悲観のピークで最大のチャンスが来ることがある。ただ、その時に買える人は少ない。

買えない理由はシンプルで、以下のどれかになりがちだ。

  • すでにフルインベストしている
  • レバレッジをかけていて身動きが取れない
  • 心理的に耐えられない

バフェットの強さは常に現金(10〜30%)を確保し、暴落のチャンスに備える余裕を持っていたことだ。

(3)価格と価値の乖離が大きいときだけ大胆に張った
バフェットの投資スタイルは、頻繁に売買して当たりを狙いにいくものではない。事業内容が理解できる企業を妥当な価格以下で買い、長く持つというものだ。

これは当たり前に聞こえるが、いざ実行するとなると難しい。多くの人は、良い企業を高い価格で買ってしまい、結局リターンが伸びない。

資産推移にくわえてインタビューなどの情報もあわせると、バフェットの成果は、デイトレーダーがよくやるマルチバガーを当てに行く派手なホームランの連発ではなく、期待値の高い場面での集中投資だったと推察される。

資産規模が大きくなるほど、成長率は落ちていく

もう一つ、資産推移から読み取れる重要な事実がある。それは、資産が巨大になるほど増やすのが難しくなるということだ。

例えば「100億円を2倍にする」と「10兆円を2倍にする」では、必要な投資機会のサイズが違う。この制約は、少額を運用する個人投資家にとってはむしろ有利に働くことが多い。小さな市場や小型株、ニッチな歪みを拾えるからだ。

つまり、バフェットは巨大資本で難しいゲームをしており、個人投資家は独自の優位性があるという視点を持っておくといいだろう。

資産推移から学べる、長期投資の現実的な教訓

最後に、今回の整理から得られる教訓を3つに集約してみた。

教訓1:複利は後半で効く。前半は退屈でも正常だ

複利の特徴は、初期ほど変化が小さく見えることだ。今回はグラフはつくらなかったが、グラフにして見れば前半は横ばいに見え、後半から急上昇する曲線になるはずだ。バフェットの資産が増える指数関数的なグラフは読者も何度も見たことがあるだろう。

資産推移を見ていると、長期に渡って同じことを続けたことが最大の勝因に見えてくる。

教訓2:下落局面を避けるのではなく、生き残る設計が大事

暴落は怖い。しかし、暴落があるからこそ新たな期待リターンが生まれる。大切なのは、暴落を避けることではなく、致命傷を避けることだ。

  • 借金で株を買わない
  • レバレッジをかけすぎない
  • 一部の銘柄に集中しすぎない
  • 生活防衛資金を別に持つ

こうした地味な設計が長期で効いてくる。

教訓3:最重要は銘柄当てではなく資本配分

バフェットがずっと語っているのは、投資は資本配分のゲームだということ。

何の株を買うかだけでなく、いつ、どれくらい買い、いつ売り、得たキャッシュをどこに再投資するか。長期ではここで差がつく。

※注意:この資産推移は当時の結果であって、現代も再現できる手順ではない

バフェットの資産推移は魅力的だが、我々が真似しようとしても同じ道をそのまま歩めるわけではない。

これは、時代背景(市場環境、金利、規制)、投資対象(当時のバリュエーションや成長余地)、バークシャーの特殊性(保険のフロート、規模、案件アクセス)などが違うからだ。

ただし、再現できないのは当時の状況であって、バフェット流投資の考え方は取り入れられる。そのような意味では、資産額の変化を追って長期投資の重要性を学ぶ価値は十分ある。

まとめ

バフェットの資産推移を数字で追うと、天才の一発勝負というより、負けない投資方針の連続を長期で積み上げた結果だとわかる。

  • 長期で複利を回す
  • 生き残る設計を作る
  • 期待値が高い時だけ大きく張る
  • キャッシュを再投資して回し続ける

バフェットの資産推移の表は、単なる自慢の年表ではない。一般投資家にとって、長期投資の現実と、勝ち方の型を確認するための教材になる。

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